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犬の社会化

犬は本来、生後3~14週齢位までの間に、親犬やきょうだい犬と密着した生活を送りながら、犬同士のコミュニケーション方法や生きていくためのスキルを学びます。この時期は好奇心が警戒心を上回り、怖いもの知らずに何にでも近づき、それが自分にとってどのような存在かといった社会的関係性を築いていきます。

 

このように、生活圏のさまざまな事象に触れ、学び、あたりまえのこととして受け入れ慣れ親しむことを「社会化」といい、この期間のことを「社会化期」といいます。充分に社会化された犬は、他の犬や人との関係づくりや見知らぬものへの適応性に優れ、ストレスに強くなります。

そしてこの社会化期が過ぎると、こんどは自己防衛や自立のために警戒心や恐怖心が強く現れ始め、新しいものに親しみにくくなっていきます。社会化が充分に行われないまま成長すると、新しい経験や刺激に対して過敏になり、犬自身にストレスが多く、恐怖症、過剰な警戒心や攻撃性によってご家族にとっても生活しにくい状況を招きます。

 

子犬にはこの短い社会化期の間に、できる限り多くの楽しく心地良い経験を与え、自分を取り巻く世界が安全であるという認識を作ってあげることが大切です。また、社会化期を過ぎても犬の社会化は一生続きます。ご家族が愛犬の心の状態や背景を理解し接していくことで、幼少期の社会化不足による苦手や恐怖心を和らげてあげることができると考えられています。

犬の社会化
パピーレッスン
おもちゃで遊ぶ子犬

パピーレッスン

子犬が親元から離れ他者の手に渡る時期として、動物愛護管理法により現在8週齢(56日経過)以降と定められている理由は、生まれたばかりの子犬の心身の発育の安定や、犬の家族の中での充分な社会化の必要性が重視されているからです。初期の社会化が促されるこの時期にも、繁殖者(ブリーダーなど)は、人に触られること、人の生活環境や外の世界を経験させること、家族以外の犬や動物と触れ合うことなど、さまざまな刺激を与えることが望まれます。

 

また、親犬や繁殖者に代わって保護者となる一般家庭や販売元(ショップなど)へ移る8週齢以降にも、引き続き、人の社会に適応し生活しやすくするための適切な社会化を促すことが、子犬の将来のためにとても重要です。保護施設などから子犬の譲渡を受ける場合も、同じことが言えます。

 

現在、​さまざまなルートから子犬を迎えることができますが、繁殖者が犬についての知識が乏しかったり、流通など人の都合で親元を離れる時期が早すぎたり、買い手や譲渡先が見つからず隔離的な生活が長引くことによる、子犬の社会化不足が問題になることがあります。また子犬のワクチンプログラムが社会化期と重なり、外部との接触を制限する必要があることからも、社会化の機会が少ない子犬が多いのも現実です。

 

子犬を迎えたいとお考えの時は、遺伝や繁殖について専門知識を有し犬種の保存と犬質の向上を目的とした健全なブリーディングを行い、また親犬や他の犬との関係や生活環境について社会化に配慮している繁殖者や施設を選びましょう。そしてかわいい子犬と出会えたご家族は、迎えたその日から、社会化を常に念頭に子犬の成長をサポートしましょう。

パピーレッスンでは、適切な社会化のために様々な経験を提供し、子犬のこころを育みます。また、ご家族には、健康管理、グルーミング、トイレトレーニング、遊び方や接し方、環境の整え方など、犬の保護者としての知識を深めていただけます。新しい小さな家族が心身共に健康に成長することを願い、誰からも愛される子犬育てをお手伝いいたします。

基本トレーニング
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基本トレーニング

犬のトレーニングの基本項目としている「おすわり(sit)」「まて(stay)」​「ふせ(down)」「おいで(come)」は、日常的に様々に活用することで、愛犬を危険から守り、困った行動の予防や回避にも役立ちます。自己流とは少し違う、犬の学習パターンをふまえた効率的で確実な教え方をコーチングいたします。

また、犬の感情表現のひとつであるボディランゲージを観察し、彼らからのサインを読み解くことにも注力します。

​愛犬とのトレーニングは、犬が新しい行動を習得するだけでなく、人が犬に分かりやすく伝える方法を知ることができます。また犬にとっては、ご家族との温かいコミュニケーションの中でより愛着と信頼が深まり、大きな充足感も得ることができます。

オーダーレッスン
Image by Brandon Hoogenboom

オーダーレッスン

人や他の犬への咬みつきなどの攻撃行動、過剰な吠え、破壊行動、リードの引張り、トイレの失敗や過剰なマーキング、異嗜(異食)など、多くの飼い主さんがお悩みになる愛犬の困った行動、また、触られるのを嫌がる、散歩が嫌い、留守番ができない、強度の怯えやパニック、複数頭飼育でトラブルがあるなど、生活に支障をきたす様々な問題は、犬としての自然な行動であったり、社会化不足、人と暮らす中での学習によって起こっていることが多くあります。また、遺伝的素因や体調不良が原因のこともあります。

 

問題を解決するには、行動の原因や意味を推察する必要があります。まずは病的な原因がないことを確認したうえで、普段の生活の中での原因と思われる要素の見直しと、基本トレーニングや個々の問題に対する緩和・改善のためのトレーニングを行っていきます。

 

一生を人と暮らす犬にとっては、家庭の中に安心して過ごせる環境が確保されていることがとても重要です。飼い主さんが愛犬に信頼される関係性を築いていること、問題の原因を作らない環境づくり、適切な対処方法を実践することで、問題は解決されていきます。あきらめて放置せず、気になることは早めにご相談ください。

ステップアップコース
フェッチの再生

ステップアップしよう

遊びやトレーニングで培ったパートナーシップをベースに、身についた良い行動の維持や応用、さらに新しいステップにもトライしましょう。

基本4項目の達成度のチェック、復習と維持

実践的アレンジ練習

​お散歩のためのヒールウォーク

ハウス(サークル&クレートレスト)

トリック

クリッカートレーニング

遊びやアクティビティ

新しく覚えてほしい行動がある

​すでに受けたトレーニングがうまくいかない

犬やトレーニングについての知識を深めたい

その他 ご希望をご相談ください。

グルーミング
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ホームケア

愛犬のお手入れを飼い主さんが行うことは、体調を確認でき、優しいコミュニケーションの時間にもなります。

 

ホームケアのレッスンでは、体に触られることを心地良いものとして受け入れられるようにしていくこと、様々な道具やケア用品に慣らすこと、ブラッシング、爪切り、歯磨き、シャンプーなどの日々のグルーミングに、無理なく協力してもらえるよう、丁寧に練習していきます。

 

人の手によるお手入れは自然界にはない出来事なので、犬にとっては受け入れがたいものになりがちです。ましてや無理に押さえつけたりして行えば、嫌悪感を芽生えさせ、ますます難しくなってしまいます。また、おうちでのお手入れに慣れていれば、トリミングサロンや動物病院での緊張を軽減したり、点薬や塗薬など治療のためのケアにも役立ちます。

社会化期のパピーはもちろん、すでに苦手になってしまっていても、なるべく負担なくできるようにしてあげましょう。

5つの自由
Image by Ian Matyssik

「動物の5つの自由」

「動物の5つの自由(the five freedoms for animal)」をご存じですか?1960年代に英国で発案され、人が管理するすべての動物たちに、その動物種らしく生きるための適切な環境を提供するべきという考え方です。

 

1、飢えや渇きからの自由 

  健康に生きるための適切な栄養が得られ、

  清潔な水がいつでも飲めているか。

 

2、不快からの自由

  温度・湿度、天候、音や光、不衛生さ、

  危険物などによって不快な状態にないか。

 

3、痛み、負傷や病気からの自由

  必要な予防や治療を受けられ、

  不健康な状態を避けられているか。

 

4、本来の行動がとれる自由

  習性に応じた自然な行動ができる環境が与え

  られ守られているか。

 

5、恐怖や苦痛からの自由

  人や他の動物から恐怖や抑圧を与えられて

  いないか、虐待などを受けていないか。

  

 

現在でも世界中で知られペットにも当てはめて考えられており、環境省でも動物飼育の指標として提唱しています。守られて当然のことのように感じられますが、知らずに実行できずにいることもあります。

一緒に暮らす犬たちの心身の健康を守り育てるために、基本的な飼育環境のバロメーターとして、常に心にとめておきたいものとなっています。

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